ゆるく推す

いのちだいじに

2020年観劇記録

ご無沙汰しております。まさか1年の観劇記録が1記事で済むようになるとは…。とはいえ当時の状況を書き記しておくのも大事かなと思い、無理やり記事にしてみます。

 

 

1/11 ミュージカル「フランケンシュタイン

日生劇場/安西くん関係なし

このミュージカルが大好きな友人に誘われ、A席にて観劇。

予習なしで行ったから、一幕で「えっもうこれ終わるんじゃない!?早くない!?」とびっくりして、二幕でそこまでやるのかと…複雑な気持ち。
ビクターをおかしいと思う一方、では彼の夢の何がダメなのかというと、「常識」とか「倫理」とかそんな漠然とした理由しか言えない自分…こんな漠然としたものを武器に人をぶって良いはずがないと猛省。
では怪物の所業が許せるかというと、それもダメだけど…怪物がそうしたくなる気持ちも分かる。
ビクターとアンリの間には間違いなく愛があったし、ビクターと怪物の間にもあったと思う。あの結末は、2人が選んだものだから。

ショッキングなシーンいっぱいあるけどテンポがいいせいか不思議と軽やかだし、板の上に大勢いることもあったけど誰のターンなのか分かりやすくて、自分はやっぱり板垣さんの演出が好きなようです。

 

1/19,25 舞台「鬼滅の刃

天王洲銀河劇場/安西くん関係なし

総じてとっても良かった!この当時アニメ放映中だったこともあり、鬼滅の刃が社会現象になり始めのときで、その盛り上がりの割には舞台の予算が少なかったので不思議に思ったのですが、舞台化はだいぶ前から決まっていたことのようで納得。次があればもっと予算がついてより良いものになる期待感でいっぱいです。

途中、ミュージカルであることが発表されたとき、シリアスなお話なのに大丈夫かな?と思ったのですが、杞憂でした。OPのリプライズとか浅草の場面転換なんか素晴らしかった!セリフを歌にした所はストーリーのテンポが崩れたように感じたけど、出演者全員に見せ場を作った結果だから致し方ないかなと。

初見の回は、アクションシーンで黒子がどうしても気になってしまったんですが、そもそも黒子って「見なくていいもの」だよな…と思い、2回目は意識的に黒子を無視してみたところ、漫画そのままの素晴らしい2次元アクションが浮かんで見えて、「私の見方が間違ってたんだ!」と新鮮な気持ちになりました。自分が観方を知らないがゆえに切り捨ててしまっていたもの、これまでもあったのかなぁと反省。

あとは…物語上しょうがないけれど、座長が出ずっぱり&歌って踊って戦って、彼の若さと頑張りで成立しているのが、背負わせすぎではないかと気になってしまいました。それも信頼ゆえと言われれば、それはそうなのですが…。

最終的にライビュ配信も買ってしまい、不思議な中毒性のある舞台でした。

 

1/27 ウェアハウス-double-

新国立劇場小劇場/安西くんアフタートークゲスト

推し見たさに行ったわけですが、スズカツさん演出の怖さ、コバカツさんと良くんの達者さにお腹いっぱいになって帰りました。今そこで言葉が生まれているかのような自然さで「不穏の表出」を見届けるの、凄い苦しかったけど凄い楽しかった。

良くんのヒガシヤマがあまりに「一般的な人」で共感せざるを得ないぶん、コバカツさんのルイケがヒガシヤマに不躾に踏み込む度にやめてくれって思えるし、ヒガシヤマ程度の少しの凶暴性って誰でも持ってるけど、本当の凶暴性の前ではなす術がないというね…ヒガシヤマは、いっそ刺された方が痛くなかっただったろうし、本も奪われたけど吠える心を奪われた方が大きいだろうな。

コバカツさんの退廃的な美が好きなので、セリフで「犬…いや、ブタだよ、ブタ」って言い放った時に(ありがとうございます)って思っちゃった。

お目当てのアフト、3人とも大好きだから、贅沢な空間でした^^*

 

2/18,23 安西慎太郎一人芝居「カプティウス」

高田馬場ラビネスト/安西くん一人芝居

色々と感慨深く、いくつかブログを書きました↓

推しの決意表明を見てくれ/他 - ゆるく推す

カプティウス:呼び起こされるつらい記憶 - ゆるく推す

発表されたときはまず、「推しの一人芝居」ということに胸躍り、またフリーでそれを実現しようとする心意気に惚れ直しました。

グッズも色々とあり、ブロマイドがオシャレだったりパンフレットが香り付きだったり*1極め付きにTシャツが安西画伯の「人間合格」という絵!*2

 そんなこんなで観劇したところ、私にとってはいわば「つらい記憶呼び戻し装置」のような舞台だったので、楽しい反面めっちゃ自分がイヤになるという…^^;

また、私のブログを観てこの舞台に行って下さった方がいて、とっても嬉しかったです!こんなこともあるんだなぁ。書いてみるもんだなぁ。

安西慎太郎くんのおたくじゃない人が「カプティウス」を観劇した話 - 主食は米

そして、この後くらいから日本でもCOVID-19感染が確認され、少しずつ舞台の延期や中止が増えていきました。

 

3/20 僕のヒーローアカデミア The Ultra Stage 本物の英雄(ヒーロー)

品川プリンスホテル ステラボール/安西くん関係なし

そういった中、ヒロステも東京公演初日を迎えることは出来ず、ただ予定していた公演期間の終盤に開演を発表しました。ちょうど、東京で外出自粛要請が出る前あたりです。

正直行くか悩んだのですが、発表されているウイルス対策が適切であるように感じたことと、通勤で満員電車に乗せられているのになぜ観劇を我慢しなければならないんだという反骨心もあり、観に行きました。

前作、良すぎてしばらくヒロステくん絶賛botと化した私↓なのですが、今回も素晴らしかった。

僕のヒーローアカデミア The Ultra Stage:2.5次元の未来は明るい - ゆるく推す

相変わらず爆速でストーリーを詰め込んでいるのですが、今回も「有精卵たちの相互刺激」にフォーカスされていて、非常に見やすかったです。生徒役が増えたほか、先生・プロヒーローも増えたので、扱いが難しそうに思ったのですが、すべてのキャラに見せ場があり、全キャラが舞台上に揃うと圧巻で、大人数・少人数、ギャグ・シリアスといったメリハリも全体的に効いていて、末吉さんの演出が好きなんだな私は。

ヒロステの感想は以上で、私はこのころ、安西くんが出る予定の舞台はどうなるんだろうか…ということで頭がいっぱいでした。デュラステ、るひまのコバカツさん演出のやつ。結局、どちらも中止になりました…。

 

6/23-29 エンゲキノマド「フェイス」

配信のみ/安西くん出演の二人芝居

そんな中上演されたのが、こちらの作品。あえて配信のみで、稽古も収録も上演もオンラインのみという、演劇をノマドでやろうという試み。

上演画面も、オンライン会議のように、演者2人のバストアップの固定カメラであり、まるで舞台の場所である面会室を覗き見ているような感覚でした。

お二人とも、画面が固定でも飽きさせない演技で、安西くんも多重人格の役で大好物でした!演者二人、キャラクターも(多重人格とはいえ)そう多くないのにこれだけスリリングな展開を楽しめるのかと驚き。

一方で、自宅で配信で舞台を見るというのが、想像以上に集中力が続かず、私はオンライン配信での観劇は向いてないのかも…と感じた公演でもありました。

 

12/31 忠臣蔵 討入・る祭

明治座(配信)/安西くん体調不良により降板

ここでフェイスから半年くらい飛んでますが、舞台がないぶん、この間に安西くんがインスタライブをやってくれたり、ファニコン開設したり、バースデーオンラインイベがあったりしました。私は名もないファンでいたいタイプなので、インスタライブを覗きに行く以外は不参加でした。*3

この「忠る」が、久しぶりに安西くんの演技を見る機会になるので楽しみにしていたのですが、直前に体調不良での降板が発表に。もちろん一番つらい思いをしているのは本人ですが、配信を見ながら、彼が演じる予定だった浅野内匠頭がすごく素敵で、「もののふ白き虎」や「幸福な職場」の穏やかな役が好きだったので、きっと歴代でもお気に入りの役になっていただろうなぁと思ってしまいました。いくら考えても詮無きことですが。

そしてまた、フェイスに引き続き自宅で配信を見ることに慣れず、想像以上に私にとって「劇場に行く」ということが非日常の入り口だったのだなと、切り替えスイッチだったんだなと痛感しております。*4

 

コロナ禍の演劇について

そして今、安西くんは引き続き体調不良で、西田さん演出の舞台ゴーストライターも降板しており、療養中となっております。

次いつ演じる姿が見られるかわかりませんが、何よりも元気になってくれることが重要で、しかしこのコロナ禍で業界を辞めようと考えたり、自殺しようと思ったことのある俳優さんは数多くいるという情報もありました。

この状況下、推しが俳優を続けられる保障なんてどこにもないし、劇団や運営会社が続く保障もない。そしてまた、考えれば考えるほど、エンタメ業界の中でも「演劇」が「感染症対策」と相性が悪い。たくさんの関係者が同時並行でそれぞれの技術を結集するからこそ、舞台は総合芸術と呼ばれるわけですが、同時に関係者の中でひとりでも熱が出たりすると、稽古でも本番でも中止せざるを得ない。

私などは単なるいち観客でしかないですが、考えても考えても状況を打破する方法が思いつかず、途方に暮れてしまいました。ロシアンルーレットに当たらないことを祈って、従来どおりやるしかないのかな?

 

なんともまとまりがありませんが、いまの気持ちを記しておくことが大事だと思いましたので、いつかこの文章を読んで「こんな頃もあったなぁ」と懐かしむ日が来ることを祈って終わります。

*1:それに気づかず焼き肉屋で開けた友人、うける。「リュウソウジャーにナダが出てるから遅刻する」と連絡がきたのも最高

*2:人間失格を読んだ男の話です

*3:インスタライブ見ながら、彼自身というよりは彼の演技が好きなんだと再確認したのもある

*4:一方で、本当なら足を運べない人が観られるというメリットもありますね